ジオスペースが奏でる音

近年の研究からジオスペースの波が、放射線帯の荷電粒子の分布を変化させる大切な役割を持っていることがわかってきました。
たとえば、1秒周期程度の波(イオンサイクロトロン波動)が生まれると、放射線帯の電子が変調を受けて、地球の大気へと降っていきます。
また、数分周期の波(ULF波動)がジオスペースの中を伝わるにつれて、放射線帯の荷電粒子が地球から遠ざかったり、近づいたりします。
さらに1秒間に数千回以上振動する波(コーラス波動)が強くなると、放射線帯の電子も増えていきます。
このコーラス波動は、可聴域の周波数帯であり、スピーカーで再生すると小鳥の声のように聞こえることから、『宇宙のさえずり』と呼ばれています。
また、雷から生まれた波が宇宙空間に伝わる『宇宙の口笛(雷ホイッスラー)』が観測されることもあります。

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コーラス:ライジングトーン

1秒以下の短時間に周波数が上昇するパターンが頻繁に繰り返され、小鳥のさえずりのように聞こえます。

観測日時:2018年3月23日 6時29分
地球からの距離:約 37,400 km

観測日時:2018年6月27日 5時2分
地球からの距離:約 31,400 km

観測日時:2018年11月5日 11時19分
地球からの距離:約 31,700 km

コーラス:フォーリングトーン

コーラスのなかには周波数が降下するものもあり、フォーリングトーン・コーラスと呼ばれています。

観測日時:2018年3月21日 6時31分
地球からの距離:約 35,000 km

観測日時:2018年5月13日 11時4分
地球からの距離:約 30,900 km

雷ホイッスラー

上空で発生する雷は、意外にもジオスペースへとエネルギーが伝わっていきます。
このとき、あらせでは滑らかに周波数降下する雷ホイッスラーが受信されます。

観測日時:2017年10月9日 16時37分
地球からの距離:約 10,500 km

観測日時:2018年9月22日 1時17分
地球からの距離:約 13,000 km

観測日時:2018年6月30日 1時44分
地球からの距離:約 7,300 km

これらのデータは、あらせに搭載された3軸のサーチコイル磁界センサーによって取得されました。
プラズマ波動・電場観測器 (Plasma Wave Experiment, PWE)

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